過去のチュータのひとりごと

(2025/04/13)チュータのひとりごと 第792回(令和7年度入学式式辞)

 73期生と70期生の入学式(同時開催)で述べた式辞の一部を紹介します。

 わたしは、入試説明会や学校説明会、またCLE(クリスチャン・ライフ・エデュケーション)の授業で、愛光学園を次のように紹介しています。
 ヴィセンテ・ゴンザレス神父様が述べている「全人教育」をベースにして、さらに、徳性と知性の2本柱を立て、国際社会のよきリーダーとなる「世界的教養人」、そして、「愛と光の使徒」を育成するのが愛光学園の使命であります。
 「全人教育論」とは、調和ある人格を育成するという教育論で、「教育の内容は人間文化の全部を盛らねばなりませぬ」と記されています。
 皆さんが本校で履修するすべての科目が、皆さんの全人格的陶冶を図るために大切であることをしっかりと認識して学校生活に臨んでください。
 さて、今日は「苦労から逃げない」という話をしましょう。
 感性論哲学者、芳村思風氏は、次にように述べています。
 —— 人生の苦労は、結局のところ、逃げても苦労、逃げなくても苦労、どこへも逃げ道はないのです。
 逃げる苦労は質の悪い苦労で、人間を堕落させる苦労です。質のよい苦労とは、問題から逃げずに、なんとかそれを解決しようと努力する苦労です。この質のよい苦労を積み重ねることによって根性が真っ直ぐになり、深さと重みが形成されていくことになるのです。どうせ苦労をするなら、質のよい苦労をすべきです。
 自分から選び取った道筋から出てくる苦労からは、絶対に逃げてはなりません。人間は一つ苦労を乗り越えるごとに確実に成長し、強くなっていく。逃げようとすればするほど、ますます嫌になって、ますます苦労が積み重なって、どんなに強がっていても、人生に対して自信のない弱い人間になってしまうのがオチです。
 中略
 自分の人生における決断から出てきた苦労からは絶対に逃げない。「くるならこい。引き受けて立ってやるぞ」という気構え、気迫は、人生には大変大事です。 ―― と述べています。
 「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉があります。
 若い時のチャレンジは、経験や知識を深め、忍耐力を養い、さらには成功への根本となるので、恐れず立ち向かっていくことの大切さに触れた言葉です。
 皆さんが本校入学後、努力を続けていくと壁にぶち当たることがあります。
 その時に、道はただ一つ、真っ直ぐ突っ走ってその壁を乗り越えていく以外にないのです。
 ここにいる皆さんに、その気概を持っておいていただきたいとお願いしておきます。
 Challenge (挑戦)を為しうる者が勝利を掴むのだということを胸にしっかりと収め、自らが描く夢の実現に向かって最大の努力を払う愛光生であってください。

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