松山から九州、本州、そして北海道に向かう際には、どうしても飛行機に頼ってしまう。やはり海を渡らないといけないとなると、四国から橋が3本あっても飛行機に頼ることになる。
出張で月に一度、東京の市ヶ谷にある「アルカディア市ヶ谷」に出かける。自宅を6時半に出て始発の東京行きに搭乗、羽田、浜松町、有楽町を経由し、東京メトロ有楽町線に乗車して午前10時前に市ヶ谷駅に到着する。つまり、家を出てから3時間半で目的地に到着する。
わたしは飛行機はA席を予約するようにしている。行きは富士山、帰りは忽那諸島、特に故郷の興居島(ごごしま)や釣島(つるしま)が着陸時に見えるからである。特に着陸時に興居島がだんだん大きくなって見えるのは壮観である。わたしが生まれてから18歳までお世話になった島を上から眺めると、不思議なことに、小学校や中学校時代の思い出が頭に浮かんでくる。
機内では読書をしているか、眠るかのどちらかである。途中でキャビンアテンダントが飲み物を提供してくれる。お腹がすいているときには「スープ」、健康のことを考えて「アップルジュース」、このどちらかをお願いすることにしている。眠っていて飲み物のサービスを受けることができないこともあるが、不思議なことにキャビンアテンダントが通過するときに目が覚める。
先日、東京で開催された「愛光学園関東地区同窓会第20回総会」に参加し、松山へ向かう機内で、アップルジュースを注文した。飲み終えて、いつものように座席前の網状になっている袋に空の紙カップを入れた。するとC席に座っている中年の女性が「空の紙カップをわたしが片付けましょう」とおっしゃって、わたしの紙カップを受け取り、自分の紙カップに重ねてくださった後、キャビンアテンダントに手渡しされたのである。
機内で見ず知らずの他人に声をかけ、紙カップを片付けてくださる方は日頃どのような生活をおくっているのか大いに興味が湧いた。残念ながらその方とお話をする時間はなかったが、日頃から徳分を積んでいらっしゃる方であることは間違いないと感じた。
着陸してからお礼の言葉を伝え、自分も小さな親切を重ねていける人間になることを心がけることが大切であると思いながら、空港から帰路についた。
1学期の「チュータのひとりごと」は今回で終了します。
2学期は9月7日(日)から開始する予定です。