「チュータのひとりごと」の第208回で、ノーベル平和賞を受賞したワンガリマータイさんのエコロジーの言葉、「もったいない」を紹介した。
彼女はこの「もったいない」という日本語を世界に広めてくれたと聞いている。
わたしは、生徒たちに自教室から他教室に移る時、気づいた人が教室の電気を消すべきではないかと伝えている。誰もいない教室に電気が煌々とついていることがある。エネルギーのことを論じる者の責務として、「もったいない」、この感覚を持ち続けることが必要不可欠だと考えている。
また、学校には生徒の忘れ物を展示する場所がある。そこにはびっくりするような「物」が並んでいる。腕時計を始めとする学校生活において必需品と思われる忘れ物である。古いと言われるかもしれないが、わたしの中高時代は消しゴム一つなくなっても辺りをくまなく捜したものである。仮に腕時計がなくなったとしたら出てくるまで必死で捜したと思う。
物が豊富になったことは喜ばしいことではあるが、「もったいない」の気持ちが失せてきていることは大いに問題である。
「もったいない」、今後もこの言葉を生徒たちに繰り返し伝えていきたいと思っている。
ところで、「もったいない」という言葉をわたしは別の意味につかうことがある。
ずっと以前に本校の教職員で出かけた互助会旅行中のできごとである。早朝、ホテルの露天風呂に入り、海を眺めている時に、素晴らしい景色の中でお風呂にいる自分がありがたいと感じ、思わず手を合わせたところ、「もったいない」という言葉が自然に口をついて出てきた。
たまたまそこに居合わせた入浴客が、「『もったいない』という言葉を久しぶりに耳にしました」と言って、その後しばらく一期一会の会話を楽しんだことが強烈な思い出として残っている。
「もったいない」、この素晴らしい日本語をいつまでも大切にしていきたい。