第35回の「チュータのひとりごと」で中学時代の同窓会について述べた。
読み返してみると,その頃は年に2度,会を開いていたことが分かる。
最近では年に2度どころか,年に1度もないこともあった
今年の7月24日(木),久しぶりに中学の同窓会が開催された。
どの同窓会でもそうであるが,世話をする幹事の熱意で開催の回数が決まる。
本校の同窓会のように定期的に開催される組織的にしっかりした同窓会もあれば,仲間の誰かが「やろうじゃないか」で始まる同窓会もある。
興居島中学の同窓会は後者である。
ウイークデイに開くとはどういうことかと思ったら,一線から退いている者が多いためだと分かった。
興居島にはわれわれの中学生当時,由良小学校と泊小学校があり,興居島中学校が島の中央の船越というところにあった。
島は過疎化が進み,現在では興居島中学校のあった船越に小学校と中学が併設された。もちろん,由良小学校と泊小学校は統合されている。
わたしが中学の頃は,1学年に約120名の生徒が在籍していたはずである。
集まったのは20名ほどであった。久しぶりに顔を合わせたこともあるが,最初のうち誰か分からない者がいた。
「あれっ,あんた,だれやったかいなあ?」妙な会話から始まった。それもそのはず,この同窓会に初めて参加したというのだから,50年間会ったことがなかったということである。誰か分からないのも不思議ではない。
名前を聞いて,中学時代同じ机に座っていた友だと分かり,それから話が弾んだ。
中学,高校,大学のそれぞれの同窓会にはできるだけ参加することにしているが,自分をそのままに出すことができるのは,何と言っても中学の同窓会である。
島という特殊な環境の中で育ったことが大きいと思うが,寄り集まった全員が興居島のあの独特のしゃべり方で気兼ねなく会話ができる喜びは何物にも代えがたい。