先日の土曜日に市内で教員の集まる会があった。
市内に向かう途中,卒業生のお母様にお会いした。
挨拶を交わしたあと,お互いに「どこへお出かけですか。」という話になった。
わたしの説明を終えると,お母様から,同期の卒業生のお母様方の集まりが市内で開かれるので出かけているところだという話があった。
卒業して何年も経過している卒業生の母親が集まり,親睦を深めているという話を聞いて,素晴らしいことだと思った。
生徒たちの6年あるいは3年間の思い出とは別に,ご父母の6年あるいは3年間の思い出があるということを改めて知る機会になった。
このような会で,ご父母がどのようなお話をなさっているかということは知る由もないが,わたしたち教員には思いも及ばない話が展開されているのではないかということは容易に想像できる。
子育ては楽なことではない。子どもが成長する楽しみは大きいが,それと同じくらいの苦労がある。
おそらく同年代の子どもを育てるお母様方が集まり,子育ての喜びや悩みを分かち合った思い出が,このような会を存続させているのだと思う。
「教育とは卒業後の思い出なり」という言葉は,生徒だけでなくご父母にも言えるのだということになるだろうか。
また教育は「親と子と先生」の三位一体で行うものであるということを常々述べているが,在学中だけでなく卒業後もこの三者のかかわりが形を変えて続いていくので,教育は楽しいのである。