過去のチュータのひとりごと

(2015/03/15)チュータのひとりごと 第452回(平成26年度 卒業式 式辞(2))

 本校の教育の2本柱,知性と徳性の面から原因と結果を見てみましょう。

 まず知性の面について触れます。

 皆さんは大学入試センター試験,そして前期の2次試験を終えて今日の卒業式を迎えました。

 6年前あるいは3年前を振り返ってみてください。新しい気持ちで臨んだ入学式では,夢の実現に向かって決意を新たにしたことと思います。

 その時から皆さんが学習に取り組んだ日々の努力を原因として,今の皆さんの実力という結果があるということは明白です。

 「やっただけが返ってくる,受験では奇跡は起こらない」と折に触れて述べてきたのは,分かりやすく言えば,この原因と結果の法則です。

 つまり,目に見えない努力という原因が目に見える「合格」という結果を引き寄せているのです。

 これは,大学入試に限ったことではありません。大学入学後も,また社会人になっても常に知性を磨き,新たな知を獲得し続けなければなりません。

 今後の大学生活や社会生活で悔いのない「結果」を得られるように,その原因を作り,積み重ねていくのは,他ならぬ皆さん一人ひとりなのです。

 「原因と結果」,この単純な法則を理解し,精力的に行動に移すことが大切であると申し上げます。

 次に徳性の面から考えてみましょう。

 倫理観には宗教的倫理観と世俗的倫理観があります。宗教的倫理観については皆さんは幸運なことに中学のCLEの時間に,神父様方から「人間はいかに生きるべきか」ということを学ぶ機会がありました。

 世俗的倫理観については,ご父母,ご家族,そして先生方から数多くのことを学んできたことと思います。

 今日旅立つ皆さんの心は,ジェームズ・アレンが言う,「くり返しめぐらされつづけた,気高く,正しい思いの,自然な結果」になっているでしょうか。

 皆さんをはじめ,本校に学んだすべての者にとって,「気高く,正しい思いの,自然な結果」とは,まさしく「愛と光の使徒」のことを指すと確信しています。

 「愛と光の使徒」とは,世界的教養人としての高い徳性,つまり,誠実な心を持ち,謙虚で,自分が習得した知性や徳性を他人や社会に還元できる人だとわたしは考えています。

 

 愛光で学んだ皆さんには,初代理事長ヴィセンテ・ゴンザレス神父様と,初代校長田中忠夫先生が目指すべき姿を示してくださいました。

 わたしが皆さんに期待することはただひとつ,「愛と光の使徒」そして「世界的教養人」を生涯をかけて追い求めてほしいということです。

 そのような心の持ち主がグローバル・リーダーとなり,世界を変えるのです。

 

 今回の卒業式式辞で今年度の「チュータのひとりごと」を終了いたします。

 来年度の「チュータのひとりごと」は4月12日より開始いたします。

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