久しぶりのご紹介となりますが、物理のY先生による教科通信「グレトラ物理」から、在校生のための貴重なアドバイスとなる記事をお借りしました。
国立大学医学部医学科4回生(当時)の先輩から、医学部の勉強や学びそのものについてのアドバイスをいただきました。
医学部4回生には「CBT」「OSCE(オスキーと読みます)」と呼ばれる全国共通試験があり、目下それの勉強をしています。
CBTはセンター試験みたいな医学の基礎学力をはかる試験、
OSCEは診察手技(血圧を測ったり、聴診をしたり)をみる試験です。
その問題集にあった問題を以下にご紹介します。
『次のうち、最も学習効果があるのはどれか。
答えはどれでしょう?
模範解答では「c. 人に教える」となっていました。
個人的には、「e. 学会発表に参加する」というのは、しっかり勉強しておかないと人前で発表することは出来ませんから、学習効率は悪くても、学習効果はかなりあるのでは? と思うところです。
問題集では、「講義を聴くこと」の学習効果が高くはない、と言っている時点で「おいおい、大丈夫か?」となってしまいますが、そこは大学なのでご愛敬(あいきょう)なのでしょう。
上記の問題が、問題として成立しているかという部分は抜きにして、実際に、「人に教える」ということは学習効果が高いです。
私も、学科のアシスタントとして後輩に教えることがあるのですが、後輩の学生から「なぜ?」と問われると意外に説明できないことがあったりもします。授業で学生がした質問に対して、教授が最新の論文を調べてきて「実はこうだった」と次の授業で紹介した、なんてことも以前にありました。
そのようなことを意識していたわけではないのですが、高校時代に私も友人2人と数学の問題の出し合いをしていました。
3日に一問ぐらいペースの3人持ち回り制で、自分が解いて「おもしろい」とか「為になる」と思った問題をルーズリーフに書くなり、コピーして貼るなりして、友人たちに出題していました。
友人はそれぞれ東京工業大学,京都大学の志望だったので、友人たちが出題してくれるいろいろな特色や面白さをもった問題に触れることができたことが、数学を「点を取る科目」ではなく「興味をもって問題を解く科目」に出来た一因かもしれません。
中国古典の『礼記』に「教学相長ず(きょう、がく、あいちょうず)」という言葉があります。教えることも学ぶこともそれぞれが両輪となってはじめて前へ進みます。
皆さんも自分に合った形で試されてみたらどうでしょうか?
【上記の写真やイラストは、インターネット上のフリー素材サイトより】