チュータ日誌

(2019/12/12)医学部4回生の先輩からのアドバイス(グレトラ物理より)

以前にもチュータ日誌でご紹介しましたが、

物理担当のY先生が、高三生にむけて「グレートトラバース物理」という名前の教科通信を配布しておられました。

 

グレトラの以前の記事はこちら

 

その中には、在校生のための貴重なアドバイスとなる記事が多数あり、特に、理系の卒業生・医学部生、さらには現役の医師であるOBの方々からのメッセージも含まれています。

本日、久しぶりに「グレトラ物理」から記事をお借りしました。

 

国立大学医学部医学科4回生(当時)の先輩から、医学部の勉強がどのようなものであるか教えていただきましょう。

 

 

 

医学部4回生の先輩より

医学部では、もちろん医学を学びますが、ひとくちに医学と言っても広い範囲の分野を勉強します。

全国81医学部でそれぞれ違いますが、私の通う大学の医学部を例に述べてみたいと思います。

 

医学部の授業編成

医学部は6年制で、一般教養、基礎医学、臨床医学、臨床実習の4つが大きな区分になっています。

最初の一年間では一般教養とよばれ、物理学や文学、法学などを選択して学びますが、近年ではこれを行わない医学部もあります。

 

次の1年間で学ぶ基礎医学は、分子細胞生物学や生理学、免疫学など生物学の延長線上に近い科目群です。iPS細胞やオートファジーなどは、この基礎医学分野の領域ですね。

 

次の2年間で臨床医学、「医学」と聞いて皆さんがイメージする内科学、外科学などを学びます。医療ドラマにツッコミを入れながら見るようになるのもこのころです(笑)。

 

最後の2年間で実際に白衣を着て病院の患者さんの前に立つ臨床実習をおこないます。

その後、大学卒業とほぼ同時に医師国家試験を受験し、合格すると晴れて医師になるわけです。

少し古いですが、南木佳士の小説『医学生』ではリアルに描写されているので読んでみても良いかもしれません。

 

実際に大学に入ってみて感じることは、医学部は大学ではなくて専門学校だということです。

 

医学部は医師の養成を目的にしているため、医師国家試験に合格するための授業展開となるのは当然なことで、朝から夕方まで授業はぎっしり、授業を選択することができるのは一般教養科目だけという感じです。

 

もちろん、大学らしく研究に従事したり(私も2年間マラリアの研究をしていました)、アルバイトしたりすることもできますが、「普通の大学生」とはかけ離れていて、自由度はかなり少ないです。

 

正直、「大学に入ったら遊べる!」という感じではないので、その覚悟はしておいた方が良いと思います。

が、そんな毎日もそれはそれで楽しいものです。

 

 

4回生後期の時間割の例(1コマ60分)

1時限 2時限 3時限 4時限 5時限 6時限
救急医学 救急医学 口腔外科 臨床薬理 脳神経外科 脳神経外科
麻酔科 麻酔科 産婦人科 産婦人科
救急医学 救急医学 臨床薬理 医科学研究 医科学研究 医科学研究
産婦人科 産婦人科 公衆衛生 公衆衛生 公衆衛生
脳神経外科 脳神経外科 口腔外科 診断学実習 診断学実習 診断学実習

 

 

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